2019年10月15日

石臼に「命」を吹き込む!

◆出逢いのきっかけは交通事故です!

そば処木鶏から、歩いて一分のところに「小野石材店」さんがあります。この石材店の代表、小野貴義さんとは、ちょっと面白い巡り合わせがある方なんです。

私が開業前の慌ただしい準備をしているとき、ちょうど料理の写真撮影をしていました。そこへ、長男の巌ちゃんが慌てて家に帰ってきました。

「お父さん!外で車がひっくり返ってるよー!」

私は、撮影中でしたが、すぐに外へ出て、店の前の道路を見ていると、なんと車が電柱に衝突し、その弾みで横転している様子でした!

これは大変だと、写真家さんと一緒に警察が来るまで交通整理をすることにしました。この騒ぎで、住民の方が道に出てきては、状況を見ているだけでした。

この時、木鶏から歩いて一分の「小野石材店」さんから、身体のガッチリした男性が出てきました。その方が、貴義さんだったんです!

挨拶をしたかどうかは分かりませんが、とにかく緊急事態だったので、今度は貴義さんと私で交通整理することになりました。しばらくすると、警察の方が来てくれてバトンタッチです!

別れ際に、貴義さんから声を掛けてくれました。

「あそこの店で蕎麦屋やる兄ちゃんかい?」

???

なぜ貴義さんが自分のことを知ってくれていたのか分かりませんでした。

話を進めていくと、私の高校時代の同級生が、石屋の営業マンで、小野石材店さんにも訪問していたとのことです!そこで、同級生の私が山形村に蕎麦屋を出すことを知り、事前に話をしてくれていたみたいです!何というミラクル!!!

それがキッカケで、お店のオープンの時から、通って下さることになったのです!

◆石工は石工を呼ぶ!

石工(いしく)とは、石材を加工したり、何かを組みたてたりする人、職業のことだそうです。人類文明の初期からある職業のひとつで、城壁や宗教施設、護岸、道路、橋梁、古墳石室など、文明の発展には、なくてはならない存在なんです。

この六月に、信州そば切りの会「蕎匠塾(きょうしょうじゅく)」で、石臼勉強会を企画しました。

講師は、京都から「石臼のいしたに」代表の石谷博道さんをお招きしました!

この勉強会の数日前、たまたまカウンターに飲みに来ていた貴義さんに、石臼勉強会の話を何気なくしました。すると貴義さんは興味津々!!!

現在、貴義さんは、地元山形村で墓石の仕事もしつつ、全国各地の遺跡の修復作業にも行かれています。具体的には、大地震で崩れたお城の石垣修復などです。

そこに集まる石工の仲間たちと、石について語りながら酒を交わす!何とも「石工愛」というか、どの業界にも、いい意味で変態っているんだなと共感させてもらえた瞬間でした(笑)

なぜ貴義さんが、まったく未経験の石臼の勉強会に興味を示してくれたのか?

それは、
「命を懸けて石臼に向き合っている石工、石谷さんに逢ってみたいから!」
という、実にシンプルな回答でした!

そして6月11日に開催された石臼勉強会で、多くの蕎麦職人に囲まれながら、貴義さんは石工職人として参加されたのです。

石臼に「命」を吹き込む!

私は、この勉強会の学びで、石臼には食を支える大きな役割があり、粉を挽くということは「命を頂く」ということなんだと感じました。どんな石臼でさえ、使ってなんぼです!

以前、友人から譲って頂いた石臼にも、ちゃんと命を吹き込んであげたいなと思っていました。そんな想いの最中、また別の機会で貴義さんと酒を交わしていた時、あの石臼を何とかしてあげたいという想いを伝えました。

すると貴義さんも、同じ気持ちで考えて下さっていて、せっかく勉強会で学べたからには、実際に石臼の加工をチャレンジしてみたいと言って頂けたのです!!!

◆石臼に「命」を!

石臼の目立てをし直すということは、とても大変なことです。未経験では、難しいかもしれません。しかし、貴義さんの石のネットワークは凄い!木鶏の石臼を加工してくれた、御岳山の麓にある「田中石材店」さんとは、取引があるようで、色々石臼について相談してみるとのこと!

試行錯誤しながら、この石臼に新しい命を吹き込んであげたいと思っています!!!孝義さん!お忙しい中、ありがとうございます!!!

石臼に「命」を吹き込む!

石臼の物語はまだまだ続く・・・。

【(有)小野石材店】
住所:長野県東筑摩郡山形村5506
電話:0263-98-2792
地図:「ここをクリック」


【そば処 木鶏】

住所 :長野県東筑摩郡山形村5511-7
電話 :0263-98-2099
昼の部:火~日  
11:30~14:30(L.O 14:00)
夜の部:木・金・土 
18:00~21:00(L.O 20:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
HP:「ここをクリック」


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