メニュー開発~醤油の仕入れ編

カズキ

2011年10月27日 12:00

美味しいかけそばを作ろう!

まずは、かけそばのベースとなるつゆ(通称:甘汁)を考えます。

「蕎麦はざるそばだろう!」

という声も聞こえてきそうですが、
もちろんざるそば(冷たいそば)は大事です。
私も、とても大事にしています。

しかし、かけそばも大事にします。

「うちは冷たい蕎麦しかないよ!」

そんなこだわりのそば屋さんもあります。
それはそれで素敵です。

でも大事なのは、お客さんが何を求めているか?
ということもすごく大事ですよね。

だって、真冬の寒い時に、冷たいそばだけ食べられますか?
もちろん「そば通」の方なら良いでしょう。

だったら私は、「そば通」もうならせる「かけそば」を作ります。

意外と馬鹿にされがちですが、
温かいそばも、奥が深いんですよ!(笑)

という訳で、まずは醤油探しです。
と言っても、使いたい醤油があります。

<知る人ぞ知る大久保醸造店>

長野県松本市里山辺にある醸造蔵です。
創業明治38年(1905年)から醤油を作り始めたそうです。

現在3代目の大久保専務さんとの出逢いは、
私が勤めている会社で、手打ちそばの通信販売を始める時でした。

そば屋に勤めていた私は、もちろん大久保醸造さんのことは知ってはいましたが、
取引はありませんでした。

企画が上がったとき、私は一番に大久保さんへ連絡をし、
お会いすることができました。

「うちは売らないよ!」

初めて蔵に訪れて、早速大久保さんとお話が出来ました。
そこで一番に言われたこと。

「うちは見ての通り、小さな蔵だ。全て人の手で造っている。
 大量生産、大量販売って考えじゃ、うちは売らないよ!」

「まずは、あなたの考えを聞かせてくれ!」

私は率直に素直な気持ちを伝えました。

・以前はそば屋に勤めており、大久保さんの醤油を一度使ってみたかったこと
・通信販売の企画のコンセプトは、自宅にいながら、
 そば屋に負けない蕎麦をお届けしようということすること
・安さではなく、お客様に感動して頂けるものをつくりたいこと

そうすると、大久保さんは黙って蔵へと案内してくれました。

まずは原料置場です。
生産地と等級が、しっかりと記載された大豆・小麦・食塩・米が保管されていました。
それも一等のものばかりです。塩沖縄のシママースを使用していました。

そしてもう一つ驚いたことは、
蔵がとても綺麗なんです!

勝手なイメージですが、こういう職場って、結構汚いイメージがあったのですが、
大久保醸造さんは、きちっと整理されていました。



「お客様には、本物の醤油を食べてもらいたい。だから妥協は一切しない!」

私は、この言葉に感銘を受け、
大久保さんの醤油で、ざるそばのつゆを作ったのです。

「こんなにも違うものか?」

醤油を変えただけで、こんなにも変わると思っていませんでした。
美味しいものは、後味がいいのです。

大久保さんの醤油で作ったそばつゆは、
口にしたあと、スーッと消えていきます。
雑味がないのです。

この時から、大久保さんとのお付き合いが始ましました。
何か困った時があれば、親身になって相談に乗ってくれます。

「これなら、温かいそばのつゆも、大久保さんの醤油で作りたい!」

私は、ずっと心に想っていました。

そんな大久保さんと、先日久しぶりにお逢いしてきました。

温かいつゆ用のかえしを試作するためです。

今回も、親身になって相談に乗って下さりました。
味醂は何を使っているのか?
どんな仕上がりのつゆにしたいのか?
などなど・・・(笑)

果たして、どんなかけつゆが出来るのでしょうか!
私も今から楽しみです!

こうご期待!!!



出来ることからコツコツと・・・まずは美味いものを作るべし!!!!

追伸:

大久保さんは、とても醤油造りを大切にしています。
それだけではなく、日本の食生活も大切にしています。

こういった姿勢が、多くのそば屋さんとのお付き合いに繋がっているのでしょう。   
身近に大久保さんがいて下さる事に感謝し、
納得いくものを、作っていきたいと思います。


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