◆あの方が来てくれるなんて・・・
11月25日に開催された蕎麦会に、自分にとって、
とても大切な方が来て下さいました。
その方とのお付き合いは、私が21歳の時、そば屋の修業を始めてからの事です。
毎日の仕事の中で、自分に対し、仕事への取り組み方や、
飲食店の心得、時には、色んな人生相談にものって下さいました。
いつも凛とした姿勢で、お客様を接客され、
やっぱり親方の良きパートナーなのだと、いつも後姿を拝見していました。
親方のパートナー・・・?
そうです!私が福島市でお世話になった修業先
「木鶏(もっけい)」の女将さんです!
昨年の8月に、私の師匠、木鶏の親方が亡くなられてから、
女将さんは、今後の生活について考えられました。
娘さん二人も、東京へ嫁ぎ、福島での生活が、孤独になってしまいます。
女将さんは、もともと東京のご出身ということもあり、
今年の9月に、福島を離れることを決意し、東京へと移り住まわれたのです。
◆一つの新聞記事
私は、この蕎麦会の告知を、女将さんにお伝えしたわけではありません。
では、なぜこのイベントを知り、お越し頂けたのでしょうか?
それは一枚の新聞記事にありました↓↓↓
東京系列の朝日新聞に掲載されたイベント告知、決して大きな枠ではないのですが、
女将さんがたまたま見つけて下さり、私に電話をしてきたのです。
「カズキくん・・・私よ・・・今度東京でお蕎麦を打つの?ぜひ娘家族と行きたいわ!」
私は鳥肌が立ちました・・・。と、同時に、とても嬉しかったのです。
「女将さんに逢える!そして蕎麦を食べてもらえる!」
私は、胸をワクワクさせ、この日を迎えることになったのです!
◆女将さんの涙
女将さんと、ようやく再会できたこの日、女将さんの眼差しは、
とても温かく、時に厳しい視線で自分を見守って下さいました。
お蕎麦も召し上がって頂き、その表情は、終始にこやかでした。
女将さんは、どんな気持ちで自分を見ていたのかな?
蕎麦会も終わり、最後に少しだけお話をすることが出来ました。
女将さんは、目に涙を浮かべ、
「成長したんだね!頑張ってきたんだね!ありがとう!伝わったわよ!」
と、とてもありがたいお言葉を頂戴し、私も思わず涙します。
今の自分があるのは、間違いなく「木鶏(もっけい)」で修業をさせて頂き、
そば打ちの道を導いて下さったからです。
女将さん!わざわざお越し下さり、ありがとうございました!
今年最後の蕎麦会は、こうして最高の思い出となったのです。
追伸:
イベントの帰り道、すぐ目の前に、東京タワーを見ることが出来ました。
今は、スカイツリーばかり取り上げられ、すっかり影を潜めてしまった東京タワーですが、
その美しさは、今も健在で、とてもキレイに輝き続けています。
新しいものばかりに目をやるのではなく、今までお世話になった古きものにも、
ちゃんと感謝の気持ちを持ち続けなければならないなと、自分に置き換えて感じました・・・。
ありがとう!東京タワー!