【木鶏】×【奈川在来】

カズキ

2016年06月30日 09:30

◆信州奈川を訪れる!

それは、先週の月曜日の出来事です。

前日に東京巣鴨から、木鶏に来て下さっていた菊谷さんと私は、信州奈川へと向かいました。



目的は「奈川在来」の元種について、情報を掴むことです。

まずは、梓川沿いにある「そばカフェ ぐりんでる」さんへ伺いました。店主の木口さんとお逢いするのは、私も菊谷さんも2回目です。

それにもかかわらず木口さんは、親切丁寧に「奈川在来」についてや、ご自身が行ってきた栽培の取り組みなど、私たちに教えて下さいました。

これが「奈川在来」の種子です。



全国的に同様かもしれませんが、ソバを栽培して下さる方の高齢化問題は、ここ奈川でも同じようです。過疎化に加え、高齢化問題は「奈川在来」にとっても切実な問題です。

このままでは、種子が絶えてしまう…。



蕎麦を噛みしめながら、私と菊谷さんの想いは重なっていきます。

◆菊谷さんの想い


菊谷さんの狙いは、そこの問題を少しでも解決できないかということです。

前日の夜に、菊谷さんと熱く語っていた時、菊谷さんの蕎麦に対する想いをお聞きしました。

菊谷さんが、全国のそば栽培地を訪れるのは、その土地の栽培を知り、なにかお手伝いすることが出来ないかとか、そこでの出逢いを繋げていくことで、種子を守っていく動きのきっかけを創りたいという想いを持っていらっしゃいます。

木鶏では、信州大学農学部で契約栽培をさせてもらっています。品種は、北海道を主力にしている「キタワセ」です。

気候的に長野県の主力「信濃一号」よりも、野辺山では「キタワセ」が栽培に適しています。

しかし菊谷さんは、どうせやるなら、長野県本来の在来を栽培してみてはどうかと提案頂きました。

この話を、ぐりんでるの木口さんにお話ししたところ、すごく興味を持って下さいました。そして、信州大学での栽培に共感して下さったおです。

ここからが、物語の始まりです。

ぐりんでるさんをあとにした私たちは、次なる目的地「新奈川温泉 鳥屋沢」さんへ。

実は、ここのご主人、高宮澄男さんに「奈川在来」の玄そばがないかと、事前に相談していました。すると、一袋だけ持っていらっしゃるというので、特別に分けて頂きました。

これで準備は整いました。

あとは、信州大学農学部の先生へ「奈川在来」の栽培をお願いするだけです。

種子を手に入れた私は、すぐに先生へ相談しました。すると、快く栽培を引き受けて下さったのです!

この出来事は、わずか一週間で決まりました。まるでパズルのように、一つひとつがハマっていきました。

菊谷さんは最後に、

「俺はこの展開になるために、今回来たのかもね!」

と、笑顔で東京へ帰られました。



菊谷さんと出逢って、わずか半年の関係です。一年前、自分がこんな大先輩と一緒に、そばについて動いているとは、思ってもいませんでした。

菊谷さんの生き方に、私はすごく共感しています。前日に一緒に飲んでいた時に言っていた言葉。

「蕎麦屋が憧れの職業にしたい!そのためにも、我々が繋がりを創って盛り上げていかなくちゃいけない世代だよね!一緒に頼むよ!」

この言葉が、物凄く胸に響きました。自分は、自分にできる精一杯で、これからも蕎麦に関わっていきたいと思いました。

菊谷さん!!!いつも素晴らしい機会をありがとうございました!!!また7月にお逢いしましょう(笑)

◆信州大学野辺山圃場へ!

「奈川在来」を手に入れた私は、早速次のお休みに野辺山へ向かいました。宅急便で送ってもいいのですが、ちゃんと「想い」も一緒に届けたくて、車を走らせました。



そして、毎年お世話になっている先生へ、今回の「奈川在来」を栽培する経緯と想いをお伝えしました。ありがたいことに、全力で栽培に取り組んで下さるというお約束を頂きました。

いつも明るい畠中先生!


学生時代からお付合いしている関沼先生!


秋の実りが、本当に楽しみです!この畑から、また木鶏の物語が始まります!!!



追伸:

野辺山には、長女の「千珠」を連れていきました。久しぶりに二人きりデートです。

娘に弱い父は、甘えられるとなんでも買ってあげたくなっちゃいます。いろいろせがまれたけど、ソフトクリームで勘弁してな(笑)



関連記事