2011年10月16日

避難所が閉鎖しました

開業準備とは異なる話なのですが、
以前ブログでもご紹介した、
「NPOいいだこどもゆめクラブ」
代表の矩(かね)くんより、被災地のレポートが届きましたので、
この場をお借りしてご報告させて頂きます。

【参照ブログ→http://ichigoichienococoro.naganoblog.jp/e837088.html

以下、矩くんのレポートです

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<震災から7ヶ月 宮城県石巻市渡波小学校避難所閉鎖に伴うご報告>

和貴さんのご厚意により、私が支援を続けてきた、
渡波(わたのは)小学校の避難所での子ども支援の様子や、
現地の状況を報告させて頂いてきましたが、
今回7ヶ月目にしてようやく、閉鎖の運びとなりましたので、ご報告します。

去る、2011年3月11日から7ヶ月間運営されてきた、
宮城県石巻市渡波小学校の避難所は、先日、10月11日をもち、閉鎖致しました。

当初、最大で2000名を越える避難民がいた渡波小学校の避難所も、
最終日には数世帯、ごく少人数までに減少し、
ついに、最後の家族を見送り、避難所だった校舎が空になり、
真っ暗になった体育館を始めて確認することが出来ました。

行政始め、テレビだけの情報で被災地を見る人は、
これで、一区切りと思われるでしょう。

しかし、現実問題として、全員が仮設住宅等へ入居できたわけでなく、
一部報道にもありましたように、『避難所』から『待機所』へ移った人もおり、
仮設が決まるまで、事実上、今までと変わらない日々を送らざるを得ない住民の方が、
石巻市全体だけでまだ数十人いらっしゃるのが現実です。

そんな中、渡波地区の町も、大手のコンビニが2件、
地元のお店や企業が数件ほど再建されて、営業を再開し始めました。

コンビニに入れば、私たちの暮らしの中と同じ品物が正規の値段で売られている反面、
最終日まで、食料の外部配給が行われ、それにぎりぎりまで頼って、
命をつないでいる人や、仕事も住むところも不安定な人がいるのも現実の話です。

しかし、変化も確かにあります。
子ども達の支援のため、5月中旬に渡波小学校に通い始めてから、
半年間で11回往復し、日にちで数えてみると、17日間ほどですが、
子ども達の表情・言動に変化が見られ、
本物に近い笑顔と落ち着いた言葉で話が出来るようになりました。
(当初は暴言・暴力・無視が日常にあふれ、普通の事だった)

今回は10月11日を含めて、3日間の滞在での支援でしたが、
仮設へ移るなどして、なかなか会えなかった子ども達にも、
奇跡的な再会を幾つか経験し、元気いっぱいに話して、沢山遊ぶ事が出来ました。

子ども達のこうした変化の裏には沢山の大人が関わりあっての結果ですが、
逆に、子ども達の変化には、我々大人が励まされています。

でも、本当の子どもの姿を取り戻すには、まだまだ、『これから』なのです。

緊急時的支援は終了したとは言え、仮設住宅に入った子ども達への支援が、
これからも継続的に必要です。

まず、前提として、あの津波に飲み込まれるかも知れないという恐怖を味わっている。
そして、仮設に入っているという事は、ほぼ確実に家を流されているという事です。

加えて、震災で家族を失い親戚のばあちゃんを亡くし、
クラスメートを亡くし、支えとなってきた色んな思い出まで海にさらわれた。

そんな経験をした子ども達です。

子ども達の世界にも家が流されたか、流されていないかで、大きな壁ができていています。
当初から格差が出来ていましたが、その壁はなかなかお互いに低くはならないようで、
その壁を取り除くような時間の必要な支援がここから始まります。

というのは、渡波第二仮設団地の自治会長・副会長さんと、
ゆっくり時間を取って話が出来た中にありました。

自治会として、防犯、防災、婦人会に関しては準備が整いつつあるものの、
子ども達の方は気になっていても、どう対処すればいいか解らず、困っていたとのことでした。

すでに、中に引きこもっている子どももいて、
未来を担う子ども達を何とかしたい!と熱心に話して下さいました。

そして、今度は仮設で、月に、一度でも二度でも、
子ども達と遊んで、元気を取り戻させて欲しいと、強く要望・要請がありました。

それを受けて引き続き、私は渡波での子ども支援を継続する事を決めました。

しかし、今回の単独での往復で、やはり自家用車での現地入りは危険過ぎると判断し、
今後は、名古屋から仙台へ直通の高速バスに乗り、仙台在住の音楽療法士の男性の協力の元、
共同で出来る限り継続して、支援を続けていければと準備中です。

早ければ、10月末の日曜日に再び渡波へ戻り、
現地の地域住民達と協議の上、さらなる準備に入る計画です。

これまで、影で応援をして下さった皆様、本当にありがとうございました。
個人として、また渡波に住む全ての人々に代わり、御礼申し上げます。
そして、これからも、応援をお願い致します。

また、今後の活動のご報告も継続したいと思いますので、宜しくお願いします。

長い文面にお付き合い下さった事にも、合わせて感謝致します。

NPOいいだこどもゆめクラブ 代表 矩 宏彰(かね ひろあき)

連絡先:
090-9354-6537
gakudou-nizi-@ezweb.ne.jp

避難所が閉鎖しました  
(空っぽになった体育館・・・)                                  


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回私がブログにアップしたことで、
彼のもとに応援の電話やメールが、多数寄せられたそうです。

それが彼の励みになり、今回無事に行けたことにも繋がったことでしょう。

私からも、心からお礼を申し上げます。
皆さんありがとうございました。

引き続き、私も彼の支援を陰ながら応援していきたいと思います。
皆さんも、ご協力をお願い致します。


追伸:

この度の大震災では、本当に様々なことが起りました。
見えない部分も沢山あります。
私の実家でも、やはり影響が無いとは言えません。
   
どんな形であれ、皆の協力があって、
復興に繋がっていく。
  
私は何ができるのか・・・?
大きなことは出来ません。

まずはそば屋の開店です。



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Posted by カズキ at 12:00│Comments(0)東北支援
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